2021-01-01から1年間の記事一覧

綾辻行人「十角館の殺人」  

大分県東の沖合いに浮かぶ断崖絶壁に囲まれた孤島、角島。 異色の建築家、中村青司が隠れ住むように暮らし、非業の死を遂げたその島をK**大学ミステリ研究会のメンバーが訪れる。 エラリイ、カー、ルルウ、ポウ、ヴァン、アガサ、オルツィと著名推理作家にち…

ジョーン・スロンチェフスキ「軌道学園都市フロンテラ」

宇宙から飛来した有害植物の猛繁殖や海面上昇などの危機に直面する2112年の地球。3人の大統領を輩出した一族の娘ジェニファー(ジェニー)は、植物学者を志して宇宙居住区スペースハブに設けられた名門大学に進学する。風変わりなルームメイト、メアリーの言…

エラリー・クイーン「フォックス家の殺人」

戦場で九死に一生を得、英雄として故郷ライツヴィルへ戻ったデイヴィー・フォックスだったが、戦場で神経を病み、さらに12年前の事件の記憶に苦しめられる。12年前、母ジェシカが毒殺され、父ベイヤード・フォックスが逮捕され、終身刑に処されていた。父は…

昨日のラーメン

なめこ印「ベルサイユの獅子/絶対記憶者の俺が未来知識で過去と義妹の運命を変えるIF戦記」

21世紀の記憶を持って、18世紀ヨーロッパに転生した主人公。幼くしてカルロとレティツィアの「ヴォナパルテ夫妻」に拾われ、やがてふたりの間に生まれた少女、レオナと義兄妹となる。彼の知るナポレオン・ボナパルトに当たるはずの彼女は、“史実”の通り英雄…

碧野圭「書店ガール」

初読の作者さん。書店につとめるふたりの女性、副店長の西岡理子(りこ)と部下の小幡亜紀の話。主人公ふたりの勘違いからの対立のそのギスギスっぷりがちょっと僕の好みと違ったのだけど、本好きとして本屋さんのお仕事の舞台裏は興味深いし、その大変さに頭…

エラリー・クイーン「災厄の町」

ふと立ちよった田舎町のライツヴィルを気に入った推理作家のエラリー・クイーンは、作品執筆のために長期逗留を決める。 地元の名士ライト家の貸家に入居することになるが、その家は次女のノーラと婚約者のジム・ヘイトのために建てられながら、そのジムが突…

古野まほろ「叶うならば殺してほしい/ハイイロノツバサ」

吉祥寺の一軒家で火災が発生。火元と見られる二階の一室からは17歳の少女を含む3人の遺体と、瀕死の男性ひとりが発見される。現場の状況は少女監禁、虐待の様相を呈していたため、重大事件に発展。唯一自力で脱出した生存者である17歳の少年、二科徹は被疑者…

デボラ・クロンビー「警視の因縁」

子供を知り合いに預けたまま失踪した女性。数ヶ月後、夫もまた死体となって発見される。親友であるヘイゼルの夫、ティムからの依頼で事件に関わることになったジェマは、ひとり残されることになった幼いシャーロットを保護しながら、キンケイドとともに事件…

エラリー・クイーン「アメリカ銃の謎」

ニューヨークの競技場で開催されたロデオショー。その幕開け、40人からの騎手たちによるセレモニーの最中、主役格の西部劇のスターが射殺される。その場に居合わせた推理作家で名探偵のエラリー・クイーンは、父のクイーン警視と捜査に乗り出すのだったが、…

有栖川有栖「女王国の城」

有栖川有栖「女王国の城」 宇宙から来る啓示者ペリパリを待望する人類協会。 怪しげな新興宗教のようにも、UFOオタクの集まりのようにも言われながら、若き代表、野坂公子(きみこ)のアイドル的人気もあって、急成長を続けている。 そんな組織へひとり向かっ…