デボラ・クロンビー「警視の因縁」

 

子供を知り合いに預けたまま失踪した女性。
数ヶ月後、夫もまた死体となって発見される。
親友であるヘイゼルの夫、ティムからの依頼で事件に関わることになったジェマは、ひとり残されることになった幼いシャーロットを保護しながら、キンケイドとともに事件を追う。f:id:onewaykun:20211128191318j:image

ジェマとキンケイドのシリーズ13作目。
ミステリであるとともに、ふたりの主人公の関係を描いていく大河ストーリーでもあって、前作でとうとうキンケイドからのプロポーズがあって、結婚式をどうするかが本作でのひとつの読みどころ。
結婚となるとふたりだけの問題じゃなくなってしまうのは日英で変わらないようで、そこに宗教感の違いもからむ分、むこうの方が大変なのかも。

殺人事件の被害者となるナジール(ナツ)はパキスタン人で、事件関係者の中にもバングラデシュやアジア系が登場する。
移民問題や異文化交流もテーマのひとつという感じ。

個人的には今回そのプライベートが明かされたジェマの部下のメロディの今後が気になりつつ期待も。