方丈貴恵「名探偵に甘美なる死を」

人気VRゲーム「ミステリ・メイカ」の続編のテストプレイと称して、現実にいくつもの難事件を解決してきた8人の“素人探偵”が集められる。
彼等を待っていたのは、ゲーム内で起きる殺人事件を解決しなければ、実際に命を奪われるデスゲームだった。
人質をとられた探偵たちは、ゲーム内と現実世界、それぞれで事件に取り組むことに。


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孤島に集められ、さらにゲーム内のバーチャルな館に閉じ込められ、さらに事件は現実空間でもゲーム内でも起きる。

さらに主人公の加茂冬馬(とうま)は、ゲーム主催者から“犯人役”を割り振られ、ゲーム内で他のメンバーの目を欺いて犯行を実行し、その推理から逃れつつ、現実世界での事件も推理しなくてはいけない。

なんというか、いくつもの意味で二重構造を持った複雑な作。

ちょっと急いで読み進めたせいで混乱するとこともあったけど、VRゲーム内世界だからといって人間が壁抜けできたり、瞬間移動できたりはしない、それでいてやっぱりVRゲーム内世界だからこその犯行トリック。
そんなのありか、と驚かされるけど、手がかりはしっかりフェアに示されている。
面白かった。