A・M・ディーン「失われた図書館」
高名な考古学者、アルノ・ホルムストランドが大学の自身のオフィスで射殺される。
彼は死の直前、同僚のエミリー・ウェスに手紙を遺していた。
古代アレクサンドリア図書館は、現在も存続している。
故人の言葉に導かれて、エミリーは古代史の謎を追う旅へ向かう。
一方、アルノを手にかけた者たちもまた、図書館の謎を追っていた。
歴史上の重要な謎を知る人物の殺害、その遺志を託された主人公の冒険、とテンプレといえばテンプレな出だしながら、ぐっと引き込まれる。
まぁ、パターンとかセオリーとかは、効果的な手法だからそうなるということか。
主人公のエミリーが冒険心旺盛で格闘術の心得もあるという設定のわりに、アクション描写は少なめなのが物足りなくはあるものの、アメリカからイギリス、エジプト、と飛び回るスピーディな展開。
各地の歴史的建造物の描写も多めで、トラベルミステリ的興味も。